子どもの事故の中で最も多いものはタバコの誤飲ですが、問題になるのはニコチンです。乾いたタバコでは、含まれているニコチンの全量が吸収されることは余りなく、現在までのところ、タバコ誤飲による死亡例はないそうです。また重症例も極めて稀とされています。しかし、タバコを温水に1時間浸すだけで含有ニコチン量の70%が溶出し、しかも肺、皮膚、消化管のいずれからでもたやすく吸収されることから、水に浸っていたタバコやその液を摂取した場合は少量でも非常に危険です。
乾いたタバコを少量(乳幼児で2cm未満)食べたときや、食べた量の大部分を吐いたことが確認できたら、そのまま4時間、顔色や嘔吐の気配など異常がないか注意して様子を見ます。4時間以上たっても異常が見られなければ、まず安心できます。
水に浸っていたタバコを食べたり、その液を飲んだ場合にはすぐ受診してください。 ジュースやビールの空き缶を灰皿代わりに使うのは避けましょう。灰皿の後始末だけではなく、新しいタバコも子どもの目の届く所に放置しないようにしましょう。
この機会に、タバコを止めることがタバコ誤飲の最大の予防法です。
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