ウイルス性胃腸炎(おなかにくる風邪)や自家中毒症(アセトン血性嘔吐症)の場合は、お薬に頼るだけでなく食事療法が大事です。
『ケトン血性嘔吐症について』も参考にして下さい。
- 一般的治療法
子どもは、吐いたりするとそれだけで不安になります。家族の人も不安になると思いますが、患児の情緒不安の除去に努めて下さい。軽症の場合は薬剤を必要とせず、患児の不安を取り除き、注意深い食事療法並びに水分補給で治癒できることが多いのです。
- 食事療法
食事療法の原則は、お腹への負担を軽くするために、少しづつ何回にも分けて与えるということです。嘔吐や下痢がひどく食欲がない時は食事摂取を
無理強いせず、水分補給に努めて下さい。
- 主食には消化吸収がよいお粥、煮込みうどんや食パン等が、また副食には、豆腐、白身の魚、鶏のささみ、茶碗蒸しや野菜の煮つけ等がよいでしょ
う。野菜スープ等で水分補給を兼ねることもいいことです。
- 水分としては、炭酸を含まないスポーツドリンク、リンゴ果汁やお茶等を少量づつ頻回に飲ませるようにしてあげて下さい。熱発がある場合には、小さな氷のかけらやシャーベットをあげることも効果的です。
なお授乳中の赤ちゃんでは、母乳でも人工乳でも、少量づつ頻回に与えるようにします。
- 脂肪摂取は控え目にします。赤身の魚、豚肉や牛肉等は脂肪分が多く消化吸収が悪いので避けるようにします。調理法としても、油を使った炒めものや揚げものは避けるようにして下さい。また、チョコレート等の刺激物も避けるようにして下さい。
- 点滴療法
食事療法を試みても何回も嘔吐する場合や、全身状態が不良である場合には、脱水を合併していることが多いので、点滴による治療が必要になることもあります。