げっぷが多いと悩む方がありますが、げっぷは口から飲み込んだ空気が胃から逆流するものです。ものを食べたり飲んだりするときには、ヒトは誰でも空気をいっしょに飲み込むため、食後すぐに出るゲップであれば何ら問題はありません。げっぷが出過ぎる原因は、
#1空気を大量に飲み込む、#2胃や食道などの病気によるもの
のいずれかです。大半は#1であり空気を大量に飲み込む『呑気症(どんきしょう)』です。『呑気症』は、別名『空気嚥下症』とも呼ばれ、鼻づまりのために口呼吸をしたり、食べ物をあわてて食べたり、水をがぶ飲みする、炭酸水を大量に飲む場合などに多くみられます。また、心理的な問題が関係していることもあり、ストレスや緊張、不安が原因で空気を大量に飲み込んでいることもありますが、過度に神経質にならないほうがいいと思います。
げっぷが出過ぎる原因をはっきりさせるためには、まず胃や食道に異常がないかをしっかり検査します。胃カメラなどで胃の形の異常や、胃の上部が横隔膜の穴から飛び出してくる食道裂孔ヘルニアがないか、慢性胃炎はないかなどを調べます。また、げっぷには胃酸が混じっているため、たまに酸っぱいげっぷが出るのは自然なことですが、それが頻繁に出る場合には要注意です。酸っぱいげっぷがたくさん出る場合には十二指腸潰瘍や胃潰瘍、苦いげっぷが出る場合には胆のうの病気も疑われます。逆に、げっぷにまったく酸味がない場合も問題です。胃酸を出す機能が弱っているのかもしれません。まれにではありますが、胃にがんなどができると細胞の機能が低下し、つくられる酸の量が減少することがあります。