ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスで、子宮頸がん、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。
最近は若年女性の子宮頸がん罹患が増えていますが、HPVの中には子宮頸がんをおこしやすい種類があり、HPVワクチンはこの中の一部の感染を防ぐことができます。
特に令和5年4月からは、定期接種として公費負担で受けられるHPVワクチンの種類が増え、従来の2価ワクチン(=サーバリックス)、4価ワクチン(=ガーダシル)に9価のワクチン(=シルガード9)が加わりました。
サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことで、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐといわれ、シルガード9では子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐとされています。 HPVワクチンの導入で子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示され、また接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。