2010年3月3日
『子宮頸がん』は『予防が可能ながん』
子宮頚がんは若い女性に多く発生するがんで、日本では毎年約15000人が発症し、約3500人が亡くなっています。30代後半から40代に多いのですが、最近は感染原因である性交渉の低年齢化などが影響し、20~30歳代の女性の悪性腫瘍の第一位を占めています。
ほとんどの子宮頚がんの発生はヒトパピローマウィルス(HPV)の感染が原因であり、ワクチンを接種すると患者さんの発症数を6~7割減らすことが可能といわれています。HPVは性交渉により感染しますが、感染自体はごく普通の現象で、全女性の約80%は一度は感染しているといわれています。通常は体内から自然消失しますが、ごく一部の女性がHPVの持続感染状態になり、子宮頚がんの基となる異常が発生するといわれています。
このHPVに対するワクチン=サーバリックスが日本でも接種可能になり、『子宮頸がん』は『予防が可能ながん』になりました。
10歳を過ぎたら、サーバリックスを受けて、『子宮頸がん』を予防して下さい。
サーバリックスは、初回接種の後、1ヶ月後及び6ヶ月後の合計3回の接種をします。
サーバリックスは任意接種ですので、1回接種あたり¥15000 の費用がかかります。
※1 なお、HPVには何種類ものウイルスがありますので、ワクチン接種によりHPV16型とHPV18型の感染を防ぐことはできますが、全ての発がん性HPVの感染を防ぐことができるわけではありません。そのため、ワクチンを接種しなかった場合と比べれば可能性はかなり低いものの、ワクチンを接種していても子宮頸がんにかかる可能性はゼロではありません。
※2 ワクチンの有効性は、少なくとも6.4年は高い抗体価を維持することが確認されています。また、その高い抗体価は20年間は継続すると推計されていますが、詳細については、現在も調査が継続して行われています。