2010年2月23日
当院では、平成22年3月2日より、肺炎球菌ワクチン(プレベナーワクチン)を開始します。
プレベナーワクチンは、米国で2000年に承認されて以来、世界97カ国で使用されており、世界保健機関(WHO)もその使用を推奨しているワクチンです。
肺炎球菌は、多くの子どもの鼻やのどにいる身近な菌ですが、子どもの体力や抵抗力が落ちた時などに、いろいろな感染症を引き超こします。
肺炎球菌が引き起こす病気には、下記のようなものがあります。
1. 細菌性髄膜炎
毎年約200人の子どもが肺炎球菌による髄膜炎に罹り、その中の1/3程度の子どもが、死亡し たり、重い障害を残します。
子どもの細菌性髄膜炎の6割はインフルエンザ菌b型(Hib)が、3割は肺炎球菌が原因といわれています。HibはHibワクチンで、肺炎球菌はプレベナーワクチンで予防します。
2. 菌血症
血液の中に菌が入り込み、血液中の菌が様々な臓器に感染し、髄膜炎など重い病気を引き起 こす可能性があります。
3. 肺炎
肺炎球菌という名の通り、肺炎の原因になります。症状が重く、入院が必要になることもあ ります。
4. 中耳炎
カゼなどで抵抗力が落ちた時に、中耳炎を引き起こします。肺炎球菌性の中耳炎は、何度も 繰り返し、治りにくいことがあります。
接種する時期は、生後2か月以上9歳以下ですが、右図を参照して下さい(図をクリックすると拡大します)。
プレベナーワクチンは任意接種ですので、1回接種あたり¥9500の費用がかかります。
なお、プレベナーワクチンは三種混合ワクチンやHibワクチンと同時に接種することができます。何度も小児科を受診するよりも、少ない受診回数で複数の予防接種をするほうがいいと思います。