□　治療について
　検査が陽性の方にはタミフルまたはリレンザが5日分処方されていると思います。1〜2日で解熱する場合が多いのですが、耐性ウイルスを作らないためにも、使い始めた薬は必ず飲みきるようにして下さい。検査が陰性であっても、症状がインフルエンザを思わせるものであれば、インフルエンザの可能性が高いかもしれません。この場合は、推定インフルエンザとして診断よりも治療を優先する事もあります。
　また、高熱が続いてインフルエンザではないとすれば、そのほうがよほど危険です。大切なことは、軽症のインフルエンザを治療することではなく、重いインフルエンザ以外の病気を見逃さないことです。

□　急いで救急センターに行くべき時とは？
（１）急激に呼吸が苦しそうになった時
　　浅くて早い呼吸なった、顔色がすぐれないなど
（２）意識障害がでてきた時
　　意味のわからない会話、自分の手をハムだといって食べようとする、意味もなく笑うなど、幼児では高熱に伴なって幻覚を訴えることがあります。この場合、熱譫妄（ねつせんもう）という、いわゆる熱でうなされたような状態のこともありますが、インフルエンザ脳症の初期状態の可能性もあります。数分で元に戻るようならば、しばらく様子をみればいいと思いますが、区別がつかない事が多いので医療機関を受診されたほうがいいこともあります。
（３）けいれんがとまらない時
　幼児ではインフルエンザに限らず、高熱に伴い熱性けいれんを起こすことがありますので、数分以内でとまるようなけいれんで、その後の意識も普通であれば急ぐ必要はないでしょう。しかし、その後も意識がはっきりしない時やけいれんが長引く時は、急いで救急医療を受診してください。

□　学校・保育園・幼稚園の登校や登園
　登園・登校の基準は、原則として発熱してから8日目。つまり月曜に発熱したときは翌週の月曜から登園登校が可能です（厚生労働省の基準）。タミフルやリレンザを服用すると2〜3日で解熱することが多いのですが、発熱してから7日目までは自宅で待機してください。ただし、解熱後2日を経過していなければ、もう少し長めに休んでください。
　私立学校などで、独自の基準が決められている場合は、それに従って登校することになりますが、タミフルやリレンザを服用している間（治療開始後5日間）は登校は控えて下さい。

□　異常行動に注意しましょう
　インフルエンザ感染症では時に幻覚や異常行動を起こすことがあるので、事故を未然に防ぐ意味から、お子さまから目をはなさないように注意してください。