2008年8月18日
宗教的な意味でイスラム教徒・ユダヤ教徒は、小児期のほぼ全男児に割礼を行います。その影響で、アメリカ・韓国・フィリピンでは同様のことが広く行われています。 幸か不幸か割礼習慣のない我が国における小児包茎の治療については、泌尿器科医の間では意見が異なることがあります。さらには小児科医のとの間でも意見の相違があるために、患者さんの御家族も戸惑われることがしばしばあります。 実際包茎のことで母親と来院される男児の中には、治療の必要ない方も結構いらっしゃいます。治療が必要な場合でも、手術を行わず、包皮翻転操作と包皮先端部に少量のステロイド剤を塗ることを組み合わせて行うことが現在主流になりつつあります。 ステロイド剤による副作用もまずありませんが、この治療は親御さん(特に父親)の御協力が不可欠です。手足の傷の場合は親御さんもわりと簡単に処置できるのですが、陰茎・陰部となりますと、母親は非常に怖がってなかなかできない方が多いようです。やはり父親が積極的に関与されると治療はスムースにいきます。 反対に父親が包茎で悩んだことがないと「放っておけ」か、悩んだり手術の経験があるといきなり「手術してくれ」となってしまいます。また祖父母が関与されると、うまくいかない場合もあります。 男性にとって包茎は一生の悩みになる場合がありますので、幼少期に何らかの解決の道筋をつけてあげるのがいいのではないかと考えます。
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