2007年6月28日
徳田こどもクリニック:7月1日(日)は診察します。扁桃炎がありますが、全体的に外来は落ち着いています。雨などで外に出られない日には、テレビ・ビデオやDVDを観る時間が長くなります。テレビ・ビデオを4時間以上観る児では、4時間未満の児に比べて言語発達の遅れが高率にみられるそです。また、同じテレビを観るにしても、テレビを観る時に親の関わりが少ない場合は、意味のある言語の出現が遅れる率が高くなるそうです。従って乳幼児には、テレビやビデオを長時間一人では観せない、またできるだけ親が話しかけながら一緒に観る事が重要です。Q-3 乳幼児が長時間テレビ・ビデオをみると何か問題があるのでしょうか。A-3 テレビ・ビデオの長時間視聴は、親子の愛着形成を妨げ、発育に影響を与える辛が懸念されます。最近、小児科医や発達の専門家から、言葉の遅れ、表情が乏しい、親と視線を合わせないなどの症状(言語発達や社会性の遅れ)を抱えて受診する幼児の中に、テレビ・ビデオを長時間視聴しており、その視聴を止めると改善が見られる例があることが報告され、テレビの長時間視聴が発達に悪い影響を及ぼす可能性が指摘されています。Q-4 実際にテレビ・ビデオの長時間視聴が言語発達や社会性の遅れを引き起こしているという調査研究はあるのでしょうか。A-4 イ.加納、片岡らは、2004年、1才6カ月児健診対象児1,057名の養育者のアンケート調査を行った。テレビ・ビデオ視聴2時間以上では言語発達の遅れ(意味のある片言2語以上言う)が認められた。ロ.日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は、2004年、1才6カ月児健診対象児1,900名の養育者を対象としてアンケート調査を行った。テレビ・ビデオを4時間以上視聴の児では、4時間未満の児に比べて言語発達の遅れ(有意語出現の遅れ)が高率であった。視聴時に親の関わりが少ない4時間以上の視聴児では、有意語出現が遅れる率が顕著に高く、そうでない児の2.7倍に達していた。従って乳幼児にテレビ・ビデオを長時間一人で見せてはいけない。ハ.加納、片岡らは、2007年、3オ6カ月児健診対象児1,180名の養育者のアンケート調査を行い、テレビ・ビデオ視聴時間と発達の関連を調べた。4時間以上のテレビ・ビデオ視聴児では、3才6カ月児の社会性の遅れの頻度が有意に増していた。 従って、テレビ・ビデオの長時間視聴は、こどもの社会性の発達を阻害する重要な因子として捉える必要がある。
当院へのアクセスはこちら