2006年6月2日
「“うちの子はtofu(豆腐)よりtoffee(トフィー)を食べたがるのよ……”と嘆くママは,まず自分の食生活を反省してみた方がよいかもしれません」専門家によるこんな調査結果が発表された.このグループのスタディによると,子供の好物は,母親が好む食物の影響を受けて2歳になるまでに決定されるという.母親の嫌いな食物が子供に積極的に与えられることはあまりなく,たとえ滋養豊富あるいは低脂肪の食物のように身体に良いとされるものであっても母親が嫌いであれば,子供の食卓に出されることはない.「母親は“自分の味感が子供の好物を左右する”という重要な役割を認識すべきです」テネシー大学のジェーンD. スキナー医師は結論付けた.スキナー医師らが推奨する方法は,子供の食事を管理する者(caretaker)が,その家の大人たちの好みにかかわらず,あらゆる種類の食物を子供たちに与えることである.最初は“食べず嫌い”を示した場合でも,食卓に出し続けるようにする.このスタディはアメリカ在住の70名の母親とその子供たち(2~3歳,4,8 歳)を対象に行われた.母親が自分の子供の好き嫌いについて回答する形式で行われ,同時に母親自身の嗜好についても調査された.年齢が上の方で自己回答が可能な子供については,それも調査の対象とされた.食品196品目について調べた結果,母親群と8歳群を比較すると,両群では嫌いな食べ物の種類と数に一致が認められた.ところが,8 歳群が一度も口にしたことのない食品のほとんどについて,母親群は食べた経験があった.嗜好は生後,数年のうちは変化することがあるが,ほとんどは最初の2,3 年で決まる.この調査では,子供たちの好むものはパン,デザート,スナック菓子,ファストフードの肉で,嫌いなものは野菜(特に生食のたまねぎ,きのこ,トマトなど)であった.もう1つ,結果としてわかったことは,成長過程における早い時期に口にした食べ物は好まれる傾向にあるようだ.4 歳時の好物をみれば,8 歳までの嗜好が予想できるという.2.コメントこの論文は父親や家族の役割については不明だが,母親の役割の大きさは理解できる.家族揃って豊かな食卓が求められているということであろうか.
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