兵庫県尼崎市の小児科(低身長、肥満、糖尿病、小児内分泌など)【徳田こどもクリニック】 尼崎・豊中地域でこども達のサポートをしています

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育児について

徳田こどもクリニック【メールマガジン6月1日分】

2006年6月1日

徳田こどもクリニック:6月4日(日)は診察します。2-3日熱が続く風邪や、ウイルス性腸炎、水痘症やおたふく風邪など、様々な疾患の方が受診されますが、どれも流行っている程ではありません。『おたふく風邪』は、2~3週間の潜伏期間を経て、70%ほどの人に耳下腺の腫れを起こします。合併症には髄膜炎や難聴がありますが、難聴は片側のことが多く、幼児では気付かれないこともありますが、他の合併症と異なり、一旦難聴を発症すると回復は見込めないことが多いようです。巷間にいう、『おたふく風邪は子どものうちに自然感染すべきだ』、という考えは改めて頂きたいと思います。 「おたふく風邪」は、ムンプスウイルスによる感染症です。「おたふく風邪」にかかっている人の咳やくしゃみからウイルスが飛び散り、これを吸い込んでのどの粘膜でウイルスが増殖することによってうつります。ウイルスが増殖して血液に入って全身を回り、唾液腺や、ずい膜、睾丸、内耳などこのウイルスの好む場所でさらに増殖してはじめて症状が出てくるので、2~3週間の潜伏期間があります。70%ほどの人で耳下腺が腫れるため、「流行性耳下腺炎」、あるいは「おたふく風邪」と呼ばれますが、他にもずい膜炎を起こしたり、難聴を起こすことがあります。ムンプスウイルスに感染しながら、目立った症状が何もない「不顕性感染」も30%ほどあります。不顕性感染であっても、他の人にうつす可能性があります。 「おたふく風邪」にかかった場合、有効な治療法はありません。必要に応じて熱さましを使うなどして、耳下腺炎に関してはおおよそ5日前後の経過で治ってきます。腫れがひいて、痛みがなくなるまで感染の恐れがあるため、幼稚園や学校は出席停止となります。5~7歳ごろにかかる人が最も多いのですが、この親世代で発症する人も多くあります。一般には年齢が低いほど軽く済みますが、年長になるほど発熱や痛みの症状も強く、睾丸や乳腺などの炎症も起こりやすくなります。妊娠初期に感染すると流産をおこすこともあります。難聴に関しては、片耳だけのことが多く、幼児では難聴になっていても気付かれないでいることもありますが、他の合併症と異なり、一旦かかると回復せず、それきり片耳が高度難聴(失聴)になることがほとんどです。めまいや耳鳴りを伴うこともあります。 「おたふく風邪」に一度かかると、普通は免疫ができますが、再感染することも稀にあります。また耳の下が腫れると「おたふく風邪」だと考えられることが多いのですが、他のウイルス感染によるものの場合や、2日以内で治る「反復性耳下腺炎」という病気の場合もあります。本当にムンプスウイルスに対する抵抗が付いていない場合には、もちろん「おたふく風邪」に感染します。「おたふく風邪」に既にかかったかどうかは、血液検査で確かめることができます。 おたふく風邪ワクチンを受けても、抵抗力が長続きしないのではないかと心配されるかたも多いようです。確かに現在はおたふく風邪ワクチンが有料の任意接種であることもあり、ワクチンを受ける方が少ないため、せっかく受けていても周囲で「おたふく風邪」が流行すると、感染することもあります。しかしワクチン接種率をあげれば、「おたふく風邪」という病気の制圧が可能であることが、既に世界で証明されています。世界の多くの国では麻しん・風しん・おたふく風邪の混合ワクチン(MMRワクチン)を2回接種することで、これらの病気をほとんど過去の病気としています。 我が国でもかつてMMRワクチンが採用されましたが、予想以上に高率に髄膜炎を発症したため中止となり、その後はおたふく風邪単独ワクチンのみが使用されています。この事件のために、医療関係者も一般の方も、おたふく風邪のワクチンは副反応が多いというイメージを持ち、残念なことに接種を控える傾向があります。おたふく風邪ワクチンは生ワクチンといって弱毒化した生きたウイルスを用いているため、このウイルスの性質上、髄膜炎を起こす可能性があることはやむを得ません。しかしこの頻度は、自然に感染して髄膜炎にかかるのに比べると25~100分の1の確率です。また「おたふく風邪」による髄膜炎は、後遺症を残さずに回復しますが、回復の期待できない「ムンプス難聴」は、自然感染では数千人に1人程度発生します。これまでの、「おたふく風邪」は子どものうちに自然にかかっておくべきだという考えは、改めて頂きたいものと思います。

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