2005年5月23日
せきは、気温の変化でのどがいがらっぽいときや、ほこりや異物を吸い込んでしまったとき、ウイルスや細菌によってのどや気管支が炎症をおこしたときにでます。正常に呼吸を行うために、異物や痰などをからだの外にだそうとする生体の大切な防御反射です。 乳幼児はのどや気管支が敏感なので、病気でないときでも気温や湿度のちょっとした変化で軽いせきがみられます。1日1~2回程度の軽いせきはほとんど心配ありません。 そして、痰も、刺激や炎症に対する気管支からの過剰な分泌液であり、やはり正常に呼吸を行うための防御反射でもあります。病気でない場合の痰は透明で、量も少ないことがほとんどです。 一方、さまざまな呼吸器の病気にかかった場合にも、せきや痰が見られます。病気のせきや痰の多くは、かぜ(普通感冒)によるものです。かぜによるせきや痰は、ふつうは数日から1週間程度で自然におさまります。 症状がせきだけであり、機嫌がよく、食欲もあり、せきがだんだんと軽くなり、数日でおさまってなくなるようであれば、とくに心配はいりませんので、家で静かにすごしながら様子を見てよいでしょう。しかし、症状がせきだけでなく膿性の黄色い痰をともなう場合や、せきや痰の症状が長く続く場合には、かぜ以外の病気も考えられます。 2週間以上続くせきを、医学的には「慢性咳嗽」と呼び、なんらかの病気である可能性があります。まず、せきや痰の様子や程度、せきや痰が見られやすい時間帯、熱、鼻水などその他の症状の有無をよく観察しチェックしてください。メモなどに記入しておくことで、医療機関を受診した際、診断に役立ちます。「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴をともなう場合や、「コンコン」という軽いせきでも毎日のように夜中や明け方に見られる場合、運動によりせきがでる場合には、気管支喘息が疑われます。 一方、ふだんからせきや黄色い痰が見られ、祖母に気管支拡張症があるので、お子さんは気管支拡張症があるかもしれません。さらに、鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気でも鼻水などの分泌液が鼻からのどにたれ込む(後鼻漏)ために、せきや痰の症状が見られることがあります。鼻と気管支の両方に炎症を併発する副鼻腔気管支症候群も考えられます。 徳田こどもクリニック:5月29日(日)は休診です。特に流行っている病気はありません。せきは、気温の変化やほこり・異物でのどが刺激された時、ウイルスや細菌によりのどが炎症をおこした時にでます。せきだけで機嫌や食欲もよく、せきが軽くなるようであれば、とくに心配はいらないでしょう。しかし、せきだけでなく膿性の黄色い痰が出てきたり、せきや痰の症状が長く続く場合には、かぜ以外の病気も考えられますので受診して下さい。
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