2005年4月25日
包皮を反転して亀頭が完全に露出できれば仮性包茎であり、包皮口が狭いために露出できなければ真性包茎である。包皮口が広くても包皮と亀頭が癒着しているために完全に露出できないものは仮性包茎である。治療の対象になるのは、ほとんどが真性包茎である。真性包茎の頻度:新生児:10割、乳児:8割、幼児:6割、小学低学年:4割、高学年:2割、中学生思春期前・1割思春期後・0.5割合併症:排尿障害、亀頭包皮炎、かんとん包茎など保存療法:包皮の用手的反転とステロイド軟膏塗布を組み合わせたもの。これは子どもに苦痛を与えず簡単に行えて、しかも成功率が高い。・包皮を指でペニス根部方向にひっぱって反転を試みる(めくるようにする)と同時に包皮口に少量の軟膏を塗布する。包皮は子どもが痛がらない程度に強くひっぱり、包皮口をできるだけ拡げるようにする。また、軟膏は包皮の表面というよりはできるだけ内側にすりこむようにする。軟膏はクロベタゾンなど「mild群」のステロイドでよく、1~2ヶ月で約5gを使用する。毎日1~2回実施すると、約2週間で効果が現れて包皮口が広くなり、約1ヶ月で70%以上の症例は仮性包茎の状態になる。完全に反転できるようになったら軟膏塗布は中止するが、反転法だけは当分の間続ける。(数日に1回、入浴時など)包皮は反転してもそのままにせず、必ず元にもどしておく。治療方針:乳児は原則として放置。尿路感染などがある場合は保存療法。幼児で包皮口の直径が5mmかそれ以上あれば、将来の自然治癒はほぼ100%期待できるので放置。保存療法を施行した児で1ヶ月たっても効果がまったく認められない場合は反転法などを再度指導して、保存療法を続行。それでダメなら手術療法。小学生で真性包茎であっても、亀頭の一部でも見えるようであれば放置。本人や親の希望があれば保存療法。手術療法の適応:・5~6歳以上で保存療法が全く無効でかつ包皮口が狭い症例。・包皮口が病的に白く瘢痕化した閉塞性乾燥性亀頭炎がある症例・かんとん包茎をおこした症例・思春期後の真性包茎症例
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