2005年4月23日
ウエストが男性で85センチ、女性で90センチ以上で高血圧など複数の症状があると、心筋梗塞(こうそく)などの危険性が高い-。この状態を「メタボリックシンドローム」という新たな概念の病気ととらえた診断基準を日本高血圧学会、日本肥満学会などが合同で作成し、大阪市で開催中の日本内科学会で8日発表した。 メタボリックシンドロームの原因は内臓脂肪の蓄積。一つ一つの症状は深刻でなくても、重い病気につながりかねない。従来は症状ごとの対処が中心だったが、脂肪蓄積の兆候をつかみ、予防につなげるのが目的。 診断基準はウエストサイズに加え(1)最高血圧が130以上か最低血圧が85以上(2)空腹時の血糖値が110以上(3)中性脂肪が150以上か善玉コレステロールが40未満-の3項目のうち2つ以上が該当する場合。 国内では1000万人以上が当てはまると推定している。内臓脂肪は皮下脂肪に比べ、血液を固まらせて血管を詰まらせたり、血圧を上昇させる成分が多くできる。それによる動脈硬化で心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まり、複数の症状がある人は心筋梗塞などの危険性が健康な人の2倍に高まるという。 基準を作成した医師らは、高カロリーや高脂肪の食事を控えめにし、運動することが必要と強調している。
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