2005年1月11日
感染性胃腸炎の報告が各地で相次いでいる。国立感染症研究所がまとめている発生動向調査によると、昨冬より遅いものの12月に入って報告が急増していた。年明けのこの時期に、老人ホームなどで死者や重症者が目立つのは、流行が年末年始と重なったため、治療が後手に回ったことが考えられる。 感染性胃腸炎は毎年10月ごろから増え始め、12月から2月にかけてピークを迎える。全国約3000の医療機関小児科からの情報を基に感染研がまとめている発生動向調査では、02年は12月上旬ごろ、03年は12月中旬ごろが流行のピークだった。今冬は昨冬よりやや少ないが、12月に入り急増し始めた。この時期は大半がノロウイルスが原因とみられている。 ノロウイルスがなぜ冬に流行するかは分かっていないが、寒い方がウイルスが長生きするためと考えられている。気象庁によると、今年は11月が記録的に暖かく、12月も中旬まで気温の高い状態が続いた。しかし、下旬になって冬型の気圧配置が強まり急激に寒くなった。感染性胃腸炎が流行する素地は整っていた。 年末年始は、老人ホームなどへ家族などが訪れる機会が多い時期だ。ウイルスが外部からも持ち込まれやすい。その上、医療機関は休診が多い。 ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、発症しても2~3日で回復するのが普通だ。ただ、高齢者や病人など抵抗力が落ちている人や、免疫機能が未熟な乳幼児では、重症化する恐れがある。 感染研の岡部信彦・感染症情報センター長は、「具合が悪く感染の疑いがある人は病人への見舞いを避けるなど、うつさない配慮も必要。感染したら、脱水症状が起きないよう注意深く手当てする必要がある」と話す。 下痢への対応は留意が必要。「下痢止めを使うと、腸内で繁殖する病原体を体内にとどめ、症状を悪化させかねない」と福岡市立こども病院・感染症センターの福重淳一郎院長は指摘する。徳田こどもクリニック:1月16日(日)は診察します。老人ホームでの感染性胃腸炎(=嘔吐・下痢症)が目立っているようですが、今週に入り小児科での感染性胃腸炎の患者さんは減っているようです。ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、発症しても2~3日で回復するのが普通ですが、下痢止めを使うと、腸内で繁殖する病原体を体内にとどめるため、症状を悪化させることがあります。きつい下痢止めは避けたほうがいいでしょう。
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