2004年8月28日
カビや細菌は、栄養分と適度の温度と湿度があれば増殖できます。細菌による食中毒が夏に多く発生するのは、このためです。しかし、ウイルスは自己増殖ができるカビや細菌と違い、生きた細胞がないと増殖できません。動物の体内に侵入したウイルスは、細胞に感染してその栄養素を利用して増殖するのです。従って食品などに付着したウイルスは、やがて死滅します。 どのウイルスも高温に弱いのは共通していますが、その程度は種類によって違います。一般にインフルエンザウイルスのように、冬に流行を起こすウイルスは高い温度に弱く、夏に流行する夏風邪のウイルスは比較的強い性質があります。 また、ウイルスは高温だけでなく乾燥にも弱く、湿度が高い方が長生きします。インフルエンザが冬に流行するのは、ウイルスが乾燥に強いからだと信じている人がいますが、これは間違いです。 乾燥した状態では、患者のせきなどから出たウイルスを含んだ水滴が小さな粒子となって、空中にしばらくの間、浮遊しているために、多くの人が感染する環境ができるだけのことです。事実、熱帯地方ではインフルエンザの流行は、湿度の高い雨期に起こります。
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