2004年4月26日
IgA腎症は、血液検査でIgAと呼ばれる免疫の物質が高い数値を示すことが多い、慢性の腎炎です。腎臓の組織をとって調べる(腎生検)と、腎臓の糸球体と呼ばれる部分に、IgAが多く沈着しています。 日本人に多くみられ、慢性腎炎の4―5割を占めます。子どもは5―10歳、大人は20歳代の発症が多くなっています。 血尿が特徴で、たんぱく尿もみられます。進行すると大量のたんぱく尿が現れ、腎機能が低下します。経過の良い慢性腎炎と考えられてきましたが、病歴が長くなるにつれ腎不全になる患者さんが増え、発症から20年たつと約4割に上ります。 治療は、激しい運動を避けて、なるべく安静を保つことと、たんぱく質や食塩を制限する食事療法、薬での治療(抗血小板薬、ステロイド=副腎皮質ホルモン=、降圧薬など)を行います。へんとう腺を摘出する手術を行うこともあります。 IgA腎症は、腎臓の状態によって4つの群に分けられますが、ご質問の方は薬を使わない経過観察ですので、経過の良い「予後良好群」か「予後比較的良好群」と思われます。 しかし、年齢とともに悪化することもありますので、定期的に通院することが大切です。腎機能が正常でも、尿たんぱくが増えてきた場合は、薬による治療を始めるべきでしょう。 規則正しい生活をし、風邪などの感染症や、太りすぎ、血圧の上昇に注意しましょう。食事の管理も重要で、栄養士の指導を受け長く続けることも大切です。病気をよく理解し、根気よくつきあっていきましょう。徳田こどもクリニック:4月29日(木)、5月2日(日)-5日(水)は休診です。学校検尿で蛋白尿や血尿を指摘されることがあります。腎臓の病気は長い経過=年単位での変化を示すことが多いのです。従って、現在無症状であっても、定期検査を欠かさず行い、軽微な変化も早期に発見し、必要であれば早期から治療することが必要になります。
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