2003年8月14日
おたふく風邪はムンプスというウイルスによって感染します。この病気にかかると耳の下にある唾液(だえき)腺が腫れて痛みます。 「お多福」のような顔つきになるのでこの名前がついていますが、実は全身に影響を与える病気です。10人に1人の割合で、脳や脊髄(せきずい)を包む髄膜に炎症が起こる無菌性髄膜炎を起こします。難聴や膵臓(すいぞう)炎を起こすこともあり、油断は出来ません。 俗に子どものうちにかからないと危険と言われますが、思春期以降では睾丸(こうがん)炎を起こすことが知られており、まれに男性の不妊の原因になるためと思われます。 この病気は、希望して任意で受けるワクチンで予防できます。ワクチンによる副反応では、無菌性髄膜炎が1万人に1人ほどに見られます。しかし、自然にうつった場合の発生率に比べるとずっと低く、症状も頭痛、発熱、吐き気など重大なものはあまりありません。予防接種を受けるほうが、他人にうつす危険もありませんし、はるかに利点が大きいと思います。 接種時期については、私はかかりやすくなる前の3歳過ぎを勧めています。なお米国では、生後12か月から15か月に1回目、4歳から6歳に2回目のワクチン接種をすることが、小学校入学の条件になっています。
当院へのアクセスはこちら