2003年5月14日
おたふくかぜは合併症を起こしやすい疾患です。この合併症を減らす効果のあるムンプスワクチンは、重症化する自然感染を考えると受けておきたいワクチンです。 おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症です。潜伏期間は約18日間で、地域や学校で流行しているときに、2日以上耳下腺の腫脹(しゅちょう)(腫れ)が持続するとおたふくかぜと診断します。両側の耳下腺や顎下腺(がくかせん)が腫れていれば診断はより確実です。小学生が発症すると腫脹は10日間程度持続します。学校保健法では、耳下腺腫脹が消失するまで学校を休まなければなりません。 おたふくかぜの代表的な合併症は「無菌性髄膜炎」と「難聴」です。 無菌性髄膜炎はムンプスウイルスに感染した人の3~10%に合併して起こります。症状は頭痛、嘔吐(おうと)、発熱で始まって、後遺症は残らずに治ります。 難聴はムンプスウイルスにより内耳が障害されておこる合併症です。感染した人の400~20000人に1人の割合で片側の内耳に発症します。この難聴は障害が重く、元のように治らないため、補聴器による矯正は困難となります。 おたふくかぜは、このような合併症が起こりうる大変怖い病気です。流行のうわさを聞いた時に、まだ受けていなかったり、かかったことのない場合は、早い時期にムンプスワクチンを受けてください。兄弟や隣の席の子がおたふくかぜになってから、あわててワクチンを受けても発症は予防できません。 ムンプスワクチン接種後に無菌性髄膜炎を合併することがありますが、その頻度は自然感染の100分の1以下(1000~10000人に1人)です。ワクチンの有効率は85~90%で、接種後の副反応はほとんどありません。ワクチンを受けた人がその後おたふくかぜを発症したとしても、一般に症状は軽く、無菌性髄膜炎の合併率は自然に感染した時の10分の1です。 このように自然感染と比べると、ムンプスワクチンを受けた後の副反応の症状は軽く、発症頻度も極めて少数ですから、集団生活に入る前に受けておきたいワクチンのひとつです。ムンプスワクチンの接種率が高い国では、おたふくかぜの流行はなくなっています。 5月22日(木)は臨時休診です。おたふくかぜでは、合併症として無菌性髄膜炎と難聴があります。無菌性髄膜炎は感染者の3~10%にみられ、症状は頭痛、嘔吐、発熱です。難聴は内耳の障害で起こる合併症であり、感染者の400~20000人に1人の割合で発症します。この難聴は重症化することが多く、完治も難しく、補聴器による矯正も困難なことがあります。ワクチンによる予防をお勧めします。 徳田こどもクリニック