2003年4月14日
食物がアレルゲンとなって起こるアレルギーは近年増加しています。食物アレルギーを起こす食物としては、卵が最も多く、次いで牛乳、そば・エビ・カニなどがあげられています。 特に、ショック死などの重篤例も起こる即時型反応のアレルギーは、患者への早急な処置が必要となります。その他の即時型症状としては、蕁麻疹・かゆみ・口唇の腫れが多くみられます。 一方で、食物自体がアレルゲンになっている食物アレルギーとは異なり、仮性アレルゲンによっても皮膚のかゆみがみられます。仮性アレルゲンとは、食物に含まれる血管作動性の物質で、アレルギーと似た生体反応を起こします。また、それ以外にも食物によってかゆみなどが起こることもしられています。半生状態のシイタケを食した数時間~3日後、広範囲に及ぶ皮疹がみられるシイタケ皮膚炎や、特定の野菜・果実を摂取すると、口唇や口腔内に腫脹やかゆみが生じるOral allergy syndrome(OAS)などがあります。 かゆみの原因になるものには、植物もあります。ウルシなどはよく知られているほうだと思いますが、観賞用植物(キク、カーネーション等)や調理野菜(レタス、セロリ等)によってもかゆみが生じる場合があります。かゆみの原因は、患者さんが意識していないことが多く、注意が必要かもしれません。 トマトでアレルギー症状が出るヒトは、稲科の花粉症を伴うことが多いようです。同様にメロン、すいか、オレンジ、ポテト、ピーナッツも稲科の花粉症を伴うようです。 最近の動向を知らないので、治療方が確立しているかどうかわかりませんが、食前30分にインタール内服液でうがいをし、そのまま内服という方法を試してみました。効果のほどは定かではありませんが。
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