2003年3月23日
中耳炎は鼓膜の向こう側にある中耳腔(ちゅうじくう)とよばれる粘膜で裏打ちされた部屋の炎症です。この部分に細菌が感染して炎症が起こるものを化膿性中耳炎とよびますが、細菌感染がなくても炎症が起こって水がたまることもあり、浸出性中耳炎と呼びます。 風邪はウイルス感染によって起こる上気道の感染症ですが、のどや鼻の炎症によって、耳管と呼ばれるのどと中耳腔を結んでいる細い管がつまって浸出性中耳炎の引き金になることがよくあります。浸出性中耳炎は中耳に細菌はいないのですが、抗生物質を飲むと治りが早くなることがしられています。もちろん化膿性中耳炎には抗生物質がよく効きますから、中耳炎であればどちらのタイプでも抗生物質による治療が第一選択になります。 抗生物質(経口)による治療期間は通常10日程度ですが、完全に治癒しない場合には延長することがあります。抗生物質治療を長期間行っても、中耳炎が完全に治らなかったり、すぐに再発する場合には、鼓膜切開をしてそこに小さなチューブをいれる治療が必要になることがあります。抗生物質を長期間使用すると、耐性菌が繁殖したり、抗生物質による下痢などの副作用がでる可能性もありますので、耳鼻科の医師にチューブ挿入などの治療が必要かどうか相談なさってください。
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